( 9:00~17:30 土日祝休 )
豊中市:猪名川流域下水道原田処理場の電気・空調設備改修|天井を含むトータル施工事例
今回は、豊中市上下水道局が発注した「猪名川流域下水道原田処理場 3系水処理中央監視室電気設備改修工事」について、元請けとして施工した実績をご紹介します。対象は原田処理場内にある3系水処理施設の中央監視室(事務室・操作室エリア)で、天井改修・空調設備更新・電気設備改修(電灯・動力・拡声・自動火災報知設備)までを一式で担当しました。
下水処理場は24時間365日稼働し続ける公共インフラであり、中央監視室は水処理プロセスの運転状況を把握する重要なエリアです。今回はそうした施設の運用に配慮しながら、老朽化した天井・空調・電気設備を一新した施工事例を、施工写真とともにご紹介します。
工事前の状況・背景
原田処理場の3系水処理棟にある中央監視室(事務室・操作室)は、天井材の経年劣化に加え、既設の空調機・照明・動力盤・防災設備がいずれも更新時期を迎えていました。天井の一部にはアスベスト含有建材が使用されていたことも事前調査で判明しており、単なる設備更新にとどまらず、天井解体からアスベスト含有材の適正処理、空調・電気設備の全面刷新までを一括で行う必要がある工事となりました。事務室・操作室とも着工前は通常どおり執務室として使用されており、水処理プロセスの運転監視業務が継続されている状態からのスタートでした。
工事概要
発注者
豊中市上下水道局
工事名
令和元年度猪名川流域下水道原田処理場 3系水処理中央監視室電気設備改修工事
発注区分
元請
主な工事内容
天井改修工事(アスベスト含有材撤去含む)、空調設備更新、電灯設備工事(LED化)、動力設備工事、拡声設備工事、自動火災報知設備工事
天井改修工事(アスベスト含有材の撤去含む)
事務室・操作室の天井(約288㎡)について、既設の天井ボード・軽鉄下地・アルミ製廻り縁を撤去したうえで、化粧石膏ボード・岩綿吸音板・軽鉄下地を新設しました。撤去した天井ボードの一部にはアスベスト含有材が確認されたため、飛散防止措置を講じたうえで法令に基づき適正に除去・処分しています。あわせて、点検性を高めるための天井点検口(450×450)を新たに6ヶ所設置しました。
空調設備の更新
既設の空調機(床置形・冷房能力57kW)を撤去し、冷媒ガスの抜き取り・処分を適正に行ったうえで、事務室・操作室にはそれぞれ天井カセット形の空冷ヒートポンプ式セパレート形空調機を新設しました。あわせて、換気設備として全熱交換器ユニットを2台新設し、室内環境と省エネ性の両立を図っています。
室外機新設のビフォーアフター

【施工前】

【施工後】
電気設備の改修(LED化・動力設備・拡声設備・自動火災報知設備)
■電灯設備工事(LED化)
既設の埋込形蛍光灯を撤去し、調光・非調光のLED照明計45個を新設しました。あわせて非常照明10個を更新し、事務室には昼光利用センサによる照明制御装置を導入して、省エネ性と保守性を高めています。
電灯設備改修のビフォーアフター

【施工前】

【施工後】
■動力設備工事
新設した空調機の電源を確保するため、屋内鋼板製の空調動力盤(3W・P-3-1)を新設し、440V→200Vのダウントランス(20kVA)を設置しました。既設の高圧配電系統から適切に接続し、絶縁抵抗測定などの試験を実施したうえで引き渡しています。
■拡声設備工事・自動火災報知設備工事
天井改修にあわせて、既設の天井埋込形スピーカーおよび煙感知器を新しい配線・機器へ更新しました。24時間稼働する処理場の運転監視・非常放送・防災機能を止めることなく、確実に引き継ぐ工事となりました。
施工のポイント:業務を止めない部分足場・段階施工
■今回の工事で最も難しかったポイント:執務中の室内での部分足場・分割養生
今回の工事で最も難易度が高かったのは、事務室・操作室が通常どおり執務室として使用されている状態のまま、天井改修を行う必要があったことです。天井を一度に全面解体してしまうと室内業務が継続できなくなるため、天井伏図をもとにエリアを細かく区切り、執務スペースの一部だけを部分的に仮設足場で囲って養生しながら、区画ごとに天井を張り替えていく方法を採用しました。
✅天井の高さ・張替え範囲に応じて足場高さを2種類(FL1,600・FL1,400)に使い分け、天井の張替え箇所だけをピンポイントで囲う枠組足場を計画
✅作業床には養生シートを敷き、粉じんや工具の落下等が職員の執務スペースに影響しないよう区画を明確に分離
✅事務室・操作室内を複数ブロックに分割し、1ブロックずつ足場を組んでは解体するサイクルを繰り返すことで、職員の方が室内で通常どおり業務を続けられる状態を保持
✅ブラインドBOXなど稼働中の設備・什器はそのまま存置し、干渉しない位置に足場・レベル調整材を配置
この部分足場・分割養生による段階施工により、水処理施設の運転監視業務を止めることなく、天井改修から空調・電気設備の更新までを一連の工程で完了させることができました。

運用を維持する天井改修工事

執務中のエリア施工
■水処理施設の運転を止めない施工
中央監視室は水処理プロセスの運転監視を担う重要なエリアであるため、施設の運転を止めないことを前提に、以下の点にも配慮しながら工事を進めました。
✅既設の運転監視機能・防災設備(自動火災報知設備等)を停止させないよう、既設回路との切替タイミングを事前に精査したうえで系統ごとに段階的に更新
✅天井解体に伴うアスベスト含有材の撤去は、飛散防止措置を講じたうえで、粉じん・臭気が処理場の運転員の執務エリアに影響しないよう養生を徹底
✅天井・空調・電気設備を一式で元請施工することで、複数業者が個別に出入りする場合と比べて工程調整・安全管理の窓口を一本化
これらの配慮を重ねながら、天井改修から空調・電気設備の更新までを一連の工程で完了させました。
工事後の様子
今回の改修により、経年劣化していた天井・空調・電気設備が一新され、中央監視室としての執務環境と設備の信頼性が向上しました。LED化による省エネ効果に加え、動力盤・ダウントランスの更新によって、今後の設備増設にも対応しやすい電源環境が整っています。
天井・電気設備改修のビフォーアフター

【施工前】

【施工後】
よくある質問
Q.下水処理場のように24時間稼働する施設でも、電気設備の改修工事は可能ですか?
A. はい、可能です。運転監視に関わる中央監視室のような重要エリアでも、既存設備を稼働させながら系統ごとに段階的に切り替えるなど、施設の運用に配慮した工程を組んで対応します。今回の原田処理場の工事でも、水処理施設の運転を止めることなく施工を進めました。
Q.天井のアスベスト含有建材の撤去はどのように行いますか?
A.事前調査でアスベスト含有の有無を確認したうえで、法令に基づいた飛散防止措置を講じて撤去・処分します。今回の工事でも天井ボードの一部にアスベスト含有材が確認されたため、適切な手順で除去し、産業廃棄物として処分しました。
Q.照明のLED化と空調・動力設備の更新を同時に行うメリットはありますか?
A.照明・空調・動力設備をまとめて改修することで、工事による施設への影響を1回にまとめられ、省エネ効果も同時に得られます。今回の工事でも、天井改修・空調更新・LED照明化・動力設備更新を元請けとして一式で施工しました。
Q.執務室として使用中の部屋でも、天井改修工事はできますか?
A.はい、可能です。天井を一度に全面解体すると室内業務が継続できなくなるため、天井伏図をもとにエリアを細かく区切り、執務スペースの一部だけを部分的に仮設足場で囲って養生しながら、区画ごとに段階的に天井を張り替える方法で対応します。今回の原田処理場の工事でも、足場高さを2種類に使い分けたうえでこの方法を採用し、職員の方が室内で通常どおり業務を続けられる状態を保ちながら施工しました。
まとめ
今回ご紹介した豊中市上下水道局発注「猪名川流域下水道原田処理場 3系水処理中央監視室電気設備改修工事」では、天井改修(アスベスト含有材の適正処理を含む)・空調設備更新・電気設備改修(LED化・動力設備・拡声設備・自動火災報知設備)までを、元請けとして一式で担当しました。特に、事務室・操作室が執務室として使用され続ける中での天井改修は、部分足場・分割養生による段階施工が求められる難易度の高い工事でしたが、24時間稼働する公共インフラ施設の運用に配慮しながら、確実に工事を完了させることができました。
【対応エリア】
📍 大阪北摂エリア: 豊中市・茨木市・吹田市・箕面市・池田市・高槻市・摂津市 など
📍 兵庫阪神エリア: 伊丹市・尼崎市・川西市 など
📍 京都府エリア
